特定非営利活動法人 リアルタイム地震・防災情報利用協議会

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平成25年3月1日 Vol.18
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この冬の寒さは例年以上に厳しく感じましたが、桜の開花は平年並み
のようです。すでに花芽は休眠から覚めていると聞き、通勤途中の
桜の木が今日は妙に気になりました。寒暖の差が大きい時期ですが
元気に乗り切りたいですね。では今月号をお楽しみください。

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・ 特集① ………… REIC片山会長がシリーズでお届けする
             かたやま通信-No.18 『海外の地震被害調査』

・ 会員トピック …… 『東邦マーカンタイル株式会社』

・ 特集② ………… REIC 3.11 ~風の便り~ Vol.16

・ REICニュース……
  ~東日本大震災復興技術支援フォーラムのご案内~
  ~REIC 3.11東日本大震災プロジェクトの活動が表彰されました~
  ~第12回国土セイフティネットシンポジウム開催報告~

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■ 特集 ①  かたやま通信-No.18 『海外の地震被害調査』
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 私は、そんなに何回も海外の地震被害調査に行っていない。とくに、地震発生
の直後に近い時期となると、1985年メキシコ地震、1989年ロマプリエタ地震、
1994年ノースリッジ地震位のものである。

 メキシコ地震の後は、直後と4カ月後に2回行った。1回目は、東京都の被害調
査団の1員として、小さなグループに入れていただいた。2回目は、土木学会が中
心となった調査団の団長だった。こちらは、大学や民間会社の人たち全部で22
人の大所帯だった。メキシコ地震の犠牲者は、政府の公式発表によると約1万
人、倒壊した建物は約3万棟である。メキシコシティーで私がいちばん強く感じた
ことは、広い道路、ゆとりのある公園や歩道に見られる、日本の都市よりずっと
安全な都市空間であった。プロパンのボンベから300件を超える出火があったの
に、燃え広がった火災は1件だけだった。日本の構造物は、同じぐらいの揺れに
対しては軽い被害ですんだかもしれないが、仮に、メキシコなみの被害を受ける
ことがあったら、その後の混乱はずっと大きいだろうと思った。

 ロマプリエタ地震の被害調査のときも20人を超える調査団の団長を務めた。2
つの思い出がある。1つは、故・南先生(地震研究所)と一緒にレンタカーでカリフ
ォルニア州の州都サクラメントまで行って、当時州のお役所に勤めていたブライ
アン・タッカー (現・Geo-Hazards International) を訪ねたこと。ドライブは南さんが
担当したが、いろいろな話をした。もう1つは、サンフランシスコ市役所を表敬訪
問した際に、市長が不在だったのを良いことに、市長のいすに座って写真を撮っ
たことである。市役所を案内してくれた広報の若い女性がとても素敵な方で、この
人と一緒の写真も撮ってもらった。残念なことに、いずれの写真もどこにあるの
かわからない。

 ノースリッジ地震のときには、NHKの若いディレクターと地震発生から1日半足
らずのうちに現地に降り立っていた。早い時期に行ったせいで、壊れかけた高速
道路のどこにもまだ立ち入り規制がかかっていなかった。ロサンジェルスのNHK
支局でいただいたお弁当が日本のコンビニ弁当と同じようなものだったことを覚え
ている。現地時間で朝の4時ごろに、国谷さんの「クローズアップ現代」に出て、
「日本では、こんな被害は起こりません」と言ったことが、昨日のように恥ずかしく
思い出される。

 私にとっては、直後の調査よりも、しばらく経ってからいくつかの被災地を訪ね
たことの中に、印象の強いものがある。唐山地震、トルコのマルマラ地震、スマト
ラ沖地震後のアチェ、それにあまり大きな地震ではないが、インドの1993年ラトゥ
ール地震などの被災地訪問は地震直後とは違った意味で、興味深かった。これ
らについては、機会を改めて書くことがあるかもしれない-お約束はできないが。

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■ 会員トピック :『東邦マーカンタイル株式会社』
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 弊社は、環境・海洋・気象等の分野向けのセンサー・計測機器を輸入販売
している会社です。取扱商品として、高精度水晶振動式圧力計、微気圧計、
気象計、ROV(有索無人水中探査機)、水中の溶存メタン/二酸化炭素の
測定センサーをはじめとする環境計測機器等、大気・河川・湖沼・海洋におけ
る計測・監視機器を取り扱っています。

 このうち、高精度水晶振動式圧力センサーは弊社の主力製品であり、1987年
より米国のセンサーメーカーであるパロサイエンティフィック社の日本における
全領域の総代理店となっています。同社のナノ・バロメーター(広帯域気圧計)
は、従来のマイクロフォンでは観測できない低周波の大気圧変動を振幅・位相
ずれのない空振波形として捉えることができるために、火山噴火観測や核実験
のモニター等に使われています。また、同社の関連会社であるQSSI社の高精度
水晶振動式加速度計の販売も行っています。

 東日本大震災の津波による甚大な被害では国内の広帯域地震計が振り切れ、
地震の規模を精査することができなかった反省から、沖合津波観測網の強化が
図られることになりました。その一つの試みとして、気象庁が東北地方太平洋
沖3か所にブイ式海底津波計の整備を進めていますが、このシステムの海底圧
力レコーダの圧力センサーとしてパロサイエンティフィック社製の高精度水晶
振動式圧力センサーが使われています。このシステムでは沖合の海底に設置し
た高精度の圧力センサーで検知した津波情報を音響モデムにより海面ブイに送
信し、そこから衛星通信を経由して気象庁に情報が送られることになっていま
す。これにより、巨大地震時に震源域周辺で発生する津波のより迅速な早期
検知が可能となることが期待されています。

 弊社では、関連する様々な分野で最高級のセンサー技術を今後も提供して
いく所存ですが、地震・津波の緊急警報に加えて避難情報にも高い関心を
持っています。リアルタイム地震情報利用協議会の活動を通じて、巨大自然
災害の防災・減災に向けて微力ながら社会貢献して行きたいと思っています。

東邦マーカンタイル株式会社 http://www.mercan.co.jp

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■ 特集 ②  REIC 3.11 ~風の便り~ Vol.16 
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 REIC水井です。
 今回は2月23日にe防災マップコンテストにて表彰していただいた東北被災地
「福祉・防災情報マップ」についての話をします。
 
 REIC3.11では2011年4月(震災1ヵ月後)以降、被災地支援の1つとして、
震災に関わる災害情報の地域Webマップを作るための技術・情報支援活動に
協働団体として参加をしております。
 初期の頃は、各地の災害ボランティアセンター(以下:災害VC)で活動する
スタッフやボランティアのための津波浸水・被害マップや、被災地ニーズと
ボランティアのマッチングマップなどを複数団体と協働で作成し復旧作業での
利活用を行なってきました。

 2011年夏以降になると、福島県を除く地域では瓦礫撤去や泥かきボランティ
アニーズが減少すると共に、仮設住宅の建設が進み、そこに居住される方々へ
の生活支援活動が増加してきました。
 そこで、各地の行政・社会福祉協議会(災害VC運営組織)と連携し、仮設
住宅の被災者向けに実施される「生活見守り活動」の情報をデータベース化
し、Webマップと連動させ「業務の効率化」と見守りの「見逃しを減らす」
作業を開始しました。

 複数の被災沿岸部の市町で上記の活動を行なっているのですが、その中で
も特に町全体をカバーする利活用を実施されている宮城県七ヶ浜町社協が、
今回「e防災マップコンテスト」にて最優秀賞を受賞しました。
 このWebマップは要援護者(高齢者等)支援も視野に入れて作成されており、
日常の地域福祉活動にも役立てられます。また次の災害時には、緊急地震速報
などのリアルタイム情報と連動・連携して、その要援護者データベースが避難
・救出作業にて役立てられたらと関係者は期待しています。
 
 大震災の復旧から、被災者生活の復興へと移行し、また平常時を過ごし、
次の災害が発生する。このサイクルの中で、長期的にその地域に定着されてい
くマップになるように今後も陰ながら支援を続けて行きたいと思います。

七ヶ浜町の場所:http://goo.gl/maps/W86DJ
第3回e防災マップコンテスト:http://emap2012.bosai-contest.jp/

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■ R E I C ニ ュ ー ス
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◆東日本大震災復興技術支援フォーラムのご案内

開催日時 平成25年3月27日(水) 13:00~16:30
開催場所 ウェスティンホテル仙台 2階グランドボ-ルルーム
主   催 東日本大震災復興技術支援実行委員会
入場無料、定員500名、事前申込3/18締切
詳細:http://www.tohokukk.jp/notice/20130327/20130327.pdf

プログラム7番『緊急津波避難情報システムの開発とこれを用いた避難体験』で
今村 文彦教授、寺田 賢二郎教授(東北大学大学院) 、
有賀 義明教授(弘前大学大学院)、堀 宗朗教授(東京大学地震研究所)、
およびREIC専務理事 大保 直人らによる講演と緊急津波避難情報システムの
デモンストレーションが行われます。

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◆◇REIC 3.11東日本大震災プロジェクトの活動が表彰されました

被災地の支援・協働活動で以下2つの賞をいただきました。どちらにも
REICは協働団体として作成に参加しており、2月23日(土)に東京国際
フォーラムでの表彰式に出席しました。
第3回防災コンテストhttps://bosai-contest.jp/moushikomi2012/
【第3回e防災マップコンテスト】 ”最優秀賞” (58作品のうち)

REICでは、防災科研ALL311仙台チーム(秋から一般社団法人みやぎ
福祉・防災情報化機構として活動)の一員として、宮城県被災地沿岸部
の13市町に対して技術・情報支援を行なってきました。そのなかで今回、
宮城県七ヶ浜町の社会福祉協議会が作成した、町全体をカバーする
仮設住宅や在宅の被災者を対象とした福祉・防災情報「生活支援マップ」
が、災害時・平常時における協働と地域防災力向上に貢献したことが評価
されました。

第3回e防災マップコンテスト:http://emap2012.bosai-contest.jp/
作品紹介:http://bosai-contest.jp/emap2012group-award/

【第3回ラジオドラマコンテスト 】 脚本部門 ”優秀賞”
  タイトル 『被災地では誰でも何かが出来る』
  東日本大震災の直後から被災地の中に入って活動を行なった「災害
  情報ボランティア」の活動と心境の変化をラジオドラマとして作成した作品

第3回ラジオドラマコンテスト:http://drama2012.bosai-contest.jp/
作品紹介:http://bosai-contest.jp/drama2012group-award/index.php?gid=10221
その他の作品紹介:http://bosai-contest.jp/drama2012group-award/

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◆◇◆ 第12回国土セイフティネットシンポジウム
 『巨大津波からどのように身を守りますか?』を開催しました。

開催日時 平成25年2月7日(木) 13:00~16:50
開催場所 パシフィコ横浜 アネックスホール205・206号室
主   催 独立行政法人防災科学技術研究所,REIC
後   援 東京商工会議所,社団法人東北建設協会,
       公益財団法人地震予知総合研究振興会
参加者数 164名 

多くの方々にご協力、ご参加いただきました。誠にありがとうございました。
開催報告:http://www.real-time.jp/pdf/130207_symposium_report.pdf


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