私たちの国は地球の薄皮が複雑に絡み合ったところに位置する上、その気象的地勢的な条件から、地震・火山・風水害などの災害によって、毎年国民の多くが犠牲になり、大きな経済的被害を余儀なくされています。このような災害をできるだけ少なくし、安心で安全な生活を営むことのできる国をつくることは、２１世紀の科学技術における重要な課題のひとつになっています。

　特に、地震災害のもたらす悲惨さ、経済的損失の大きさは、阪神・淡路大震災で改めて認識させられました。これを契機に地震災害軽減のための調査研究が一新され、基盤的な地震観測網の整備などによって、地震災害のメカニズムの解明や災害予測の面で大きな成果を挙げています。私たちは今後、これらの観測網から得られる質の高いデータを、国民や企業の・社会基盤の災害軽減に向けた具体的な行動に結び付けていく必要があり、そのためには地震に関する情報をリアルタイムで迅速に伝達し、各機関・国民の危機管理の体系に活用することが重要であると考えます。

　本協議会は、地震観測網データを地震災害軽減に多角的に応用するべく、国民、企業、地方自治体、関係行政機関などの防災対策に実用的かつ有効な形で活かせるように、リアルタイム地震情報の創生・流通を促進し、地震への高度な対応が行える社会的環境の整備に貢献することを目指すものです。

　皆様におかれましては、上記趣旨をご理解いただき、本協議会にご賛同・ご加入いただけるよう心からお願い申し上げます。