平成24年9月4日 Vol.12
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┃ R E I C マ ガ ジ ン ┃
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8月も終わり、少し涼しくなってきました。
秋って、なんだか寂しい気持ちになりませんか。
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・ 特集① ………… REIC片山会長がシリーズでお届けする
かたやま通信-No.12 『緊急地震速報について話そう』
・ 会員トピック …… 株式会社三越伊勢丹ホールディングス
『緊急地震速報の配信開始からもう5年、変わる世の中』
・ 特集② ………… REIC 3.11 ~風の便り~ Vol.10
・ REICニュース … つくば市北条地区における竜巻被害の視察報告(その2)
~被災から100日が経った現状について~
・ お知らせ ……… 防災科学技術研究所が新しい「強震モニタ」の提供実験を
開始しました!!!
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■ 特集 ① かたやま通信-No.12 『 緊急地震速報について話そう 』
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早いもので、かたやま通信も1年を迎えた。いつも、与太話ばかりしている
ので、今回ぐらいは少し真面目な話をしよう。
「ピョロンピョロン」という音が鳴って、テレビ画面に「強い揺れが予想され
ます」と出るのが、一般利用者向けの緊急地震速報。たくさんの地震計の
記録から、地震の規模と起こったところをつかまえ、これらの情報を使って
各地の震度を予想、予想される震度が5弱を超えるところがある地方には、
「ピョロンピョロン」の画面が出る。昨年の津波地震のとき、関東地方では、
「ピョロンピョロン」が鳴らなかった。 震源が東北沖と遠いうえ、最初に発表
された地震の規模が小さめだったからだ。長さ500㌔・幅200㌔の断層を点
で表すことにもともと無理があった。
緊急地震速報というと、いつも問題にされるのは、揺れが来たあとで速報
が出たということだ。これを100%クリアすることは難しい。しかし、こういうもの
には、数回に1回の失敗は付きものである。(今は、数回に1回というには、
失敗が多すぎるかもしれない。)専門家は失敗の割合を減らす努力を続け、
受ける側は、緊急地震速報を狼少年のように思わないことが大切である。
さて、緊急地震速報には、高度利用者向けのものがある。気象庁は、
もっと小さな規模の地震の発生に関しても、情報を送り出している。情報は、
地震発生直後から、時間の経過とともに精度を上げて発信される。地震に
よっては、第1報から始まって、8報、9報と続く。一般利用と高度利用の違い
は、必ずしも十分に知られていない。私たちが会員勧誘のために企業に
お邪魔しても、「地震速報はテレビで見られるから」と、おっしゃる方が少なく
ない。東日本大震災のときの東京でも、高度利用者のいくつかは、気象庁の
情報を自社のシステムで加工し、速報を出している。地震の数日後にのった
タクシーの運転手さんは、「会社から緊急地震速報を受けた。減速して歩道
のそばに車を停める余裕があった」と、言っていた。
高度情報を受けるには2つの方法がある。1つは、気象庁から直接受ける
方法で、それなりのハードウェアの準備と技術力が必要だ。そして、もう1つが、
REICのような機関を通じて受ける方法である。REICが発足した頃は、あまり
競争相手がなかったが、今では、この中間機関が過当競争の状態にある。
それでは、たくさんの中間機関からREICを選ぶと良いところはなんだろう。
私は、緊急地震速報以外の面での差別化しかないと考えている。しかしながら、
REICのこの部分の活動は、これまで十分だったとは言えない。REIC発足後
5年間は、(独)防災科学技術研究所からの受託業務を中心として、資金が
潤沢だった。しかし、競争の真っただ中に放り出された今となっては、REICに
とって、もっと会員に対するサービスに注意を払った運営が不可欠である。
会員のために役に立つ講演会、勉強会の開催、地震防災全般に関わる受託
研究、コンサルティングなど、私たちにできることは少なくない。REIC自身は
小さな団体だが、周りにいる昔からの仲間と一緒に、会員のご要望に誠意を
もってお応えできると信じている。
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■ 会員トピック 株式会社三越伊勢丹ホールディングス
『緊急地震速報の配信開始からもう5年、変わる世の中』
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気象庁の緊急地震速報が、平成19年10月1日から提供されてからもう既に
5年が過ぎようとしている。今では、携帯電話などにも配信されるようになり、
知らない人はいないほどの情報となった。百貨店業界では、各社が気転を
きかし比較的早くから導入していたが、以来その伝達方法はそのままであり、
さらに早く多くの人たちに知らせる方法がないのかと追求しようとする動きが
薄れているのは残念なことである。防災訓練でも使われているが、毎度毎度
同じ到達時間パターンなのである。
8月25日(土)朝に配信された産経新聞に、「大規模災害想定 119番通報に
SNS活用、消防庁が検討会 本人確認に課題」といった見出しのニュースが
あった。電話回線が使えなくなる大規模災害時に備え、ツイッターなどから
119番の緊急通報ができる態勢について、SNS業者や情報通信の専門家らで、
運用時の課題などを検証するという。ネットによる緊急通報には、電話に比べて
本人確認の方法が難しいことやいたずらなどがあることが検討事項らしいが、
東日本大震災の気仙沼市では、一時孤立した被災者がメールで助けを求めた
ことで最終的にヘリコプター救助された例もあり、こうした活用法については
前向きに検討してもらいたいものである。
三越伊勢丹では、今年の夏のバーゲンを例年の7月1日から13日に遅らせて
スタートした。他の百貨店では1日から実施したところや1日と13日と二段構えに
したところもあったが、全体的に売上が伸びずに「夏バーゲン 分散で低調」
といった評判となっている。しかし、三越伊勢丹は、今度の正月も2日から
スタートしていたバーゲンを遅らせ、来年の夏は、8月からスタートさせるといった
方針である。需要の高い時期に品薄となってしまう早期セールは弊害であり、
旬の商品を正規価格で販売したい考えである。バーゲン狙いのお客様には、
背いているように見えるが、取引先に良い商品を作っていただき、しっかりと
その良さをお客様に伝えて満足していただくよう販売するという百貨店本来の
姿を目指しているのである。
私の席の側には、REICから配信される緊急地震速報の情報を画像と波面で
見えるパソコンが設置してある。同じフロアーで働く仲間達は、サイン音がなると
一斉にこっちを向く。それがどのようなものかを知っており、こちらから想定震度を
大きな声で知らせて情報を共有している。緊急地震速報はもう永遠になくなることは
ないが、より早く多くの人たちに正確に伝えるという命題は常につきまとっている。
消防庁も通報方法を検討している。企業は事業の継続について対策を講じている。
波面の見えるパソコンは、携帯電話にはない情報を提供できる性能があるので、
それを周知させることや台風、ゲリラ豪雨、雷、竜巻などの災害情報も合わせて
送・受信できないものか?!と思うことがある。変わる世の中にマッチしたリアル
タイム災害情報の提供をしたいものである。
(株)三越伊勢丹ホールディングス http://www.imhds.co.jp/
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■ 特集 ② REIC 3.11 ~風の便り~ Vol.10
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REIC水井です。
今回は、岩手県、宮城県の被災地にて行なわれている震災記録(以前・当時・
以後)アーカイブ活動について話をします。
東日本大震災発生の後、「311まるごとアーカイブス」http://311archives.jp/
という活動が開始されました。宮城県の災害ボランティアセンターで行っている
災害情報支援と同じく防災科研リスク研究グループが中心となっていますが、
こちらは情報・技術支援活動とは異なり、被災地の状態・状況をアーカイブして
いくことを目的としています。
被災した直後・事後・復旧・復興の写真や動画、被災者による語り、その他に
集められるものであればなんでも収集し、みんなの財産として共有していきます。
震災当時に多くの方々によって撮影された画像の提供をお願いしたり、現地
スタッフを雇い(雇用対策にもなる)自分たちの町の復興記録を取る作業を行っ
たり、また、行政・団体・個人から震災前の町の景色等も収集し、以前・当時・
以後のアーカイブスを作成していきます。
そして集めるだけではなく、これら記録の使い道について可能性を模索して
いきます。たとえば、地域でおこなわれる防災訓練の参照資料、学校にて利用
される災害についての教材、世界中のだれでも利用できる電子図書館での
情報閲覧など。
このアーカイブス活動により今回の震災に関する記録を次の大地震・津波が
発生する世代の方々へ伝えていくことで、将来の被害を少しでも小さくできる
はずです。この取り組みは、昔から三陸沿岸地域の山の斜面に置かれている、
過去の津波がここまで到達していることを示している石碑と同じなのだと思います。
当時は石碑が情報の記録媒体だったのですが、今回はデジタルデータがその
役割を担うのでしょう。
この活動では震災の「事前」から「復興」までの「地域の情報」を収集・記録し
その時の復旧・復興の作業に役立てるとともに、100年後、1000年後の住民の
「事前」のために災害の事実を伝えることになります。
(情報の利活用イメージ:
http://kizuna-dantai311.ecom-plat.jp/fbox.php?eid=11213)
REIC3.11では、下記のURLにて東北被災地の現地情報を随時UPしています。
https://plus.google.com/117994033388936375907/posts
次回の話題はまだ思いついていません~。(‘_’)/
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■ R E I C ニ ュ ー ス
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○つくば市北条地区における竜巻被害の視察報告(その2)
~被災から100日が経った現状について~
平成24年5月6日(日)正午過ぎ、茨城県つくば市、栃木県真岡市などを竜巻が
襲い甚大な被害を及ぼしました。被災直後の5月8日(火)、茨城県つくば市北条
地区に赴き被災状況を視察しましたが、100日を経た8月26日(日)、復旧状況に
ついて同地区を再度視察してきました。
続きは下記をご覧ください。被災直後と現在の様子を写真で示しました。
http://www.real-time.jp/pdf/120826_REIC_report.pdf
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◆ お 知 ら せ ◆
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○防災科学技術研究所が新しい「強震モニタ」の提供実験を開始しました!!!
独立行政法人防災科学技術研究所は、全国に設置した強震計で観測される
日本列島の「今」の揺れと、緊急地震速報による予測情報を重ねて表示する
新しい強震モニタの試用版を開発しました。
<防災科研によるプレス発表資料>
http://www.bosai.go.jp/press/2012/pdf/20120903_01.pdf
この試用版強震モニタの提供実験が本日9月3日午前10時より開始されました。
参加募集人数は、先着1000名で参加費用は無料です。
(アンケートに回答する必要有り)
下記のURLから参加申し込みができますので、ご興味をお持ちの方は、
ぜひご参加ください。
<新しい「強震モニタ」の提供実験のページ>
http://www.kmoniexp.bosai.go.jp/
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★☆★ 只今、入会金無料キャンペーン実施中!! ★☆★
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発行開始月:2011年10月
【発行元】〒160-0016 東京都新宿区信濃町11-3 AK信濃町ビル2F
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