特定非営利活動法人 リアルタイム地震・防災情報利用協議会

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                            平成24年8月1日 Vol.11
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 連日のオリンピック観戦で睡眠不足の方も多いかもしれませんね。
 熱中症を予防するためにも、ちょっとひと涼みしませんか。

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・ 特集① ………… REIC片山会長がシリーズでお届けする
              かたやま通信-No.11 『インドを訪ねて』

・ 会員トピック …… 沖エンジニアリング株式会社
      『スマート社会実現に貢献する沖エンジニアリングの技術サービス』 
               
・ 特集② ………… REIC 3.11 ~風の便り~ Vol.9

・ REICニュース … Google主催イベント Big Tent 2012
      - 自然災害とIT活用に関する国際会議 - に参加しました! 

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■ 特集 ①  かたやま通信-No.11 『インドを訪ねて』
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 4月の初めにニューデリーに行った。ヴィヴェカナンダ国際財団という財団が、
NDMA (国立災害マネジメント本部とでも訳せばよいのだろうか)と共催した
ワンデーセミナー「インドの地震危機軽減に向けて」に招待されたのである。
最近、腰痛に悩まされているから、はじめはe-メイルに返事もしなかった。
だが、招待のメイルは何回も送られてくるし、これはインドにとってとても大切な
セミナーだからぜひ来てほしいと、まったくあきらめるようすがなかった。

 行くことに決めてからは、どうせ何か話さなければいけないのなら、
先手を打とうという作戦を立てた。こっちが先に原稿をつくって送ってしまえば、
それで結構ですと言ってくるだろうと考えたのだ。ちょうどそのころ、
ナシーム・ニコラス・タレブという人が書いた「ブラック・スワン-不確実性と
リスクの本質」(ダイヤモンド社)という本に入れ込んでいたから、
2011年3月の津波地震をブラック・スワン事象として解釈してみることにした。
まぁまぁ自分では、それなりの雑文ができたと思ったので、先手必勝のつもりで
主催者に送った。

 ところが、話はそう簡単ではなかった。このセミナーの実質的な責任者は、
ヴィヴェカナンダ国際財団の前理事長のヴィチさん(Vijと書く。発音は難しい。)
だった。この方は、もと元帥でインドの三軍の長を務めた人である。
私が送った原稿に関して、すぐに返事が来た。「最近日本で起こった災害に
関して非常に ”Dispassionate” な論文を送っていただいて感謝します。しかし、
今度のセミナーは、われわれが日本から何を学べるかをテーマにしたものです。
われわれは、あれだけの大災害に対する日本の備えに学びたいのです。
もし、あの地震がインドで起きていたら、津波や原発事故を抜きにしても、
大変なことになっていたと思うからです」といった内容だった。

 ”Dispassionate” という言葉の意味を辞書で調べたら、
「感情に流されない、冷静な判断ができる」という意味であることを知り、
送ったものはそれなりに評価していただいたことはわかったが、結局のところ、
原稿は書き直しとなった。

 成田を出発したのは、火曜日の午前11時過ぎ(実は、ビザをもらえたのが
前日の夕方だった)、予定では現地時間の夕方6時ごろにはニューデリーに
着くはずだった。ところがニューデリーの近郊が急に砂嵐に襲われ着陸できず、
上空をぐるぐる回った末、500キロ以上も離れたアーメダバード(2001年の
地震で有名になったグジャラード州の州都)へいったん回避して燃料を補給し
ニューデリーへ戻るということになった。おかげで、デリー着は深夜になった。
ありがたいことに、空港にはもと元帥をはじめ5人ほどの方々が待っていて
くださった。

 泊めていただいたのは、”Indian Habitat Centre” という高級会員制クラブの
スイートである。一流ホテルも真っ青というすごいクラブで、宿泊施設、スポーツ
施設、何軒もの高級レストランやバーが入っている。メンバーになるのは
きわめて難しいそうだ。一方に、このようなハイソサエティーのクラブがあれば、
他方には、小さなお店と多くの人々がひしめき合うごった煮のような地域がある。
「混沌とした」という言葉が、これほどぴったりと合う国もインド以外にはない
かもしれない。

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■ 会員トピック   
    『スマート社会実現に貢献する沖エンジニアリングの技術サービス』
~ 沖エンジニアリング株式会社 ~
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 沖エンジニアリング株式会社では、緊急地震速報を応用した、オンサイト
地震計による、薬品や特殊材料ガスなどを使用している、半導体工場向け
地震予測システム構築を行っております。これらのシステム運用には、
高信頼性が求められており、その技術構築には、弊社の得意とする
EMC評価技術、計測技術、部品・材料評価および信頼性評価技術などを
背景としております。

 今回のトピックでは、「電気用品安全法施行令の一部を改正する政令-
7月1日改正」などに対応するための、「スマート社会構築に向けた照明と
電力の進化への対応」として、7月10日に実施した 『2012OEGセミナー』の
概要をご紹介させて頂きます。

 一般社団法人LED光源普及開発機構代表理事 小林治彦様より、
経済産業省から発表された、「優れた技術を有する戦略重点分野について、
LED光源及びLED照明器具に関する規格の国際標準化開発を選択、
官民で協調し、国際標準化を戦略的に推進する」の内容を踏まえ、09年
から直近までの照明事業界の変革とLEDの規格、基準の動向などについて
「次世代半導体照明(SSL)成長戦略とLED光源(照明)産業の動向」として、
ご講演して頂きました。

 弊社の評価サービスとしては、最近サービスを開始した以下の5事例に
ついて紹介いたしました。

・ 「LEDの環境試験における劣化と寿命」として、省エネで注目されている、
節電効果の高いLED(発光ダイオード)電球の、光部品・製品の光学特性評価に
焦点を当てた各種技術サービスの充実を図る一環としこのたび大型積分球
による光学測定、LEDの総合評価、直管形LEDランプ・LED電球等を開始した
弊社サービスについて。

・ 「電源モジュールの安全性・信頼性評価」として、事務所、家庭用品の
電子機器に多く用いられるモジュール電源(ACアダプタ、オンボード電源)の
安全性を確保の重要性について。電源モジュールの製品安全検証、故障解析
および対策提案のサービスと故障解析事例(ツェナーダイオードの焼損、
コンデンサの破壊、基板(部品)の焼損、Power MOS FETの故障解析等)
について。

・ 「濃度管理型シロキサン暴露試験」として、濃度管理型シロキサン暴露
試験機の開発と、接点障害の起因の解明のための「シロキサン接点障害の
再現性試験サービス」について。

・ 「RoHS指令とREACH規則における含有化学物質の効率的な情報収集」
として、高性能・高信頼性電子部品選定でクローズアップされている、
環境配慮部品選定の問題点と情報収集解決サポートについて。

・ 「スマート社会に寄与するEMC・安全試験」として、LED照明の国内法制化、
車載EV・PHV車両でのEMC試験動向、待機電力実施措置(ErP指令)など、
事例について。

 なお、今回のOEGセミナーの内容につきましては弊社ホームページにて
公開しております。http://www.oeg.co.jp/

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■ 特集 ②  REIC 3.11 ~風の便り~ Vol.9
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 REIC水井です。

 今回は、仮設住宅住民を対象とした生活支援情報データベース作成と利用、
その問題についてもう少し話をいたします。

 東日本大震災が発生してから約1ヵ月後の2011年4月15日から5月中旬までの
約1ヶ月間、REICスタッフの2名(松田、水井)は独立行政法人防災科学技術研究所
に合流する形で宮城県の災害ボランティアセンターにて各地被害状況や避難所に
関する情報、そしてボランティアセンター運営(ニーズ管理・マッチング・結果記録など)
の情報・技術支援を行ないました。帰京した後も、関東にいながら遠隔情報支援を
行ない、順次建設されていく仮設住宅の場所と建屋形状をWebマップ上に入力
していく作業を細々と行なっていました。

 ところが2011年9月には、被災地支援活動を共にしていた方の紹介で、
アメリカのタイズ財団(http://www.tides.org/)から震災支援活動を目的とした
助成金を頂くことができ、現地活動を再開することができるようになりました。
 この頃は、多くの町が復旧から復興へ移り変わる時期であり(一部の地域は
2012年7月現在も未だに復旧段階です。例えば福島第一原発周辺など)、
2011年4月頃に行なっていた活動とはまた違う目的での情報・技術支援を
行なうこととなりました。

 仮設住宅(プレハブ住宅)には、大きな町では2~3万人、小さな町でも
数百人規模で生活されている方がいます。また、見なし仮設(借り上げ住宅)で
生活されている方は、未だに人数の把握さえできていない状態です。
 これら被災された方々を対象に、複数の機関が生活支援を行なっていますが、
その機関の1つとして社会福祉法人 宮城県社会福祉協議会(以下:社協)が
あります。実はこの社協と言う組織は、震災直後に各地で立ち上げられていた
災害ボランティアセンターを運営していた組織なのです。

 社協が実施している生活支援のひとつとして、仮設住宅住民の方々に
直接お会いして、現在の生活状態や要望等を聞き取る被災者見守り活動が
あります。9月から現地入りした後、REICでは、この見守り活動で取得された
情報を生活改善および事故予防へ役立てるためデータベース化し、行政や
社協関係者が共有できるリアルタイムオンラインシステムの構築作業を
支援のひとつとして行なっています。

 明るい話題ではありませんが、仮設住宅では将来の不安から病気になったり
最悪は自殺される方もいるのが現実です。現在、構築しているシステムと
データベースは、そのような方の「前触れ」を関係者で共有し、最悪の事態を
防ぐための情報源として利活用されていきます。今後、宮城県全域や同様の
状況にある岩手県・福島県に展開されていくことを期待しています。

 また、この仕組みは、今後大災害が発生した場合、どの地域であっても
必要とされるものであると思います。
 しかし、何か新しいことを行なうと問題も同時に出てきてしまうのです。
現在の導入予定自治体では、きちんと情報元である住民の許諾を得て、
町の評議会等にて理解・了承されたうえで稼動させることになるのですが、
「個人情報」取り扱いの壁が問答無用でストップをかけてしまった自治体も
ありました。

 はたして大災害が発生した緊急時に、個人の命が優先されるのか、
それとも個人情報の法律が優先されるのか、次回の震災に向けて考える
必要があると感じています。
 他人事ではなく、自分や自分の家族が被災した場合でも法律があるため
生活支援を拒絶するのでしょうか。今の日本では、明日は我が身かもしれません。

 なお、この活動は震災「復興」時の「被害・復興の情報」利活用を実践・検証
していることになります。

情報の利活用イメージ:


 下記のサイトにて、東北被災地の現地情報を随時UPしています。

復興ハングアウト:


また、ご意見などございましたらreic-hangout@googlegroups.com 宛に
お送りいただければ幸いです。

 次回は、岩手県、宮城県、福島県沿岸被災地にて行なわれている
震災記録(以前、当時、以後)アーカイブス活動について
ご紹介したいと思います~。(‘_’)/

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■ REICニュース
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○ Google主催イベント Big Tent 2012
   - 自然災害とIT活用に関する国際会議 - に参加しました!

7月2日に、標題のイベントが仙台市内のウェスティンホテルで
開催されました。


REICは、現在Googleの関係するタイズ財団から助成金を得て
東北地方での被災地支援の活動を実施していることから、
本会議に4名ほど招待されました。

プログラムは、下記の三部構成です。

第一部:災害におけるIT活用の可能性
第二部:世界各地でのケース・スタディ
第三部:政府と民間の協力可能性

どれも魅力的なプレゼンの後、活発な議論が展開されました。
個人的な印象としては
技術的な部分では、アメリカなど他の国が先行しているところもあるものの、
総合的な防災力としては、日本はやはり世界の先頭を走っているのでは
という感想を持ちました。

今後とも、世界各国が協力して自然災害に対する取り組みを
続けていくことが大切だと思います。 (記 REIC松田)

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