Vol.87
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R E I C マ ガ ジ ン Vol.87
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 2018.12.4 ━━━━━
今年も残すところ4週間となりました。近頃は、「平成最後の○○」という
フレーズを数多く耳にするようになりました。例年開催している「国土セイフティ
ネットシンポジウム」も、第18回の開催が平成最後のシンポジウムとなります。
是非皆様のご来場をお待ちしております。
さて 本号では、REIC前会長 片山恒雄氏による、今年一年を振り返る
特別寄稿をお届けいたします。
━━━ INDEX ━━━
[1] 特別寄稿
『今年もまた災害の一年だった』
REIC顧問 片山 恒雄 氏
[2] REICニュース
1. 第18回国土セイフティネットシンポジウムのご案内
[3] 断層トリップ
[4] 事務局より
年末年始休業のお知らせ
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[1] 特別寄稿
『今年もまた災害の一年だった』
REIC顧問 片山 恒雄 氏
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「災害大国」や「自然災害のデパート」などという言葉はまっぴら
だが、今年もまた豪雨、台風、地震、それらが引き起こした土砂崩れと、
日本中で災害が発生した。その一つが9月6日午前3時過ぎに北海道
厚真町近くを震源とした胆振東部地震である。
41人の方が亡くなり、うち36人は厚真町で起きた大規模な土砂災害
によるものだった。建物被害は15日午後5時現在、1518棟で、内訳は
全壊195棟、半壊252棟、一部損壊1071棟と報告されている。
この地震災害の最大の特徴は、北海道全域のブラックアウトだった。
地震のとき、苫東厚真火力発電所は道内の電力の半分を供給中であり、
これが止まったため、道内の電力周波数が乱れ、他の発電所が連鎖的に
緊急停止し、全道停電となった。全道の停電戸数は295万戸以上で、
1995年阪神淡路大震災の約260万戸を超える規模となった。
全道停電といった事態になると、私たちがいかに電気におんぶに
だっこの生活をしているかを身に染みて感じさせられる。そのなかでも
医療機関への影響は、命に係わる可能性がある。
災害時に頼りになるのが災害拠点病院だ。停電で機能まひした東日本
大震災の教訓を踏まえ、災害拠点病院には、通常時の6割程度の発電量
をもつ自家発電機と3日分程度の燃料を備えるよう定められている。
都道府県が指定し、24時間体制で傷病者を受け入れる。今年4月現在、
全国に731病院あるうち、道内の34の災害拠点病院は、すべて停電の
影響を受け、自家発電機で対応した。結果的にこれが一定の功を奏した。
厚労省によると、ブラックアウトのため道内で停電した病院は一時
349か所に上る。水が使えなくなった病院も62に達したという。また、
日本透析医学会によると、地震発生の日の夕刻時点で、道内の17の
医療施設で停電などの影響のため透析ができなくなった。
政府と北海道は14日までの9日間、道内の家庭や企業に「2割の
節電」を呼びかけた。家庭では具体的に何をすれば2割の節電ができるのか。
照明を3割程度消すことで7%、冷蔵庫の設定を強から中に変え食品
を減らし扉を開ける時間を少なくすることで2%、テレビを省エネモー
ドにしこまめに消すことで2%の節電ができるという。炊飯器で一日分
のコメをまとめて炊き、保温機能を使わずに冷蔵保管することで3%、
使わない家電のプラグを抜くなど待機電力の削減で3%、トイレの節電
モードの利用で1%減らせる。ここまでで18%の節電が可能だ。2割を
目標にすれば、残りの2%は照明をさらに間引く必要があるが、照明を
発光ダイオードに変えた家では、消灯の節電効果は小さく、2割の節電
は容易ではない。
北海道のブラックアウトは大規模な発電所に依存する電力システムの
脆さを明らかにした。一極集中の怖さである。同時に電気に依存する
医療の脆さを露呈することになった。
政治や経済の東京への一極集中は、北海道の電力の一極集中どころで
はない。それに大都市ほど停電には弱い。私たちは、北海道の地震を
対岸の火事と眺めてはいられないのである。
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[2] R E I C ニ ュ ー ス
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1. 第18回国土セイフティネットシンポジウムのご案内
【総合テーマ】
「日本経済を直撃する巨大災害リスク ~企業に求められる災害への備え~」
日時 : 平成31年2月7日(木)13:00~17:00
場所 : パシフィコ横浜 アネックスホール I・J会場
主催 : 国立研究開発法人防災科学技術研究所
特定非営利活動法人リアルタイム地震・防災情報利用協議会
※プログラムはこちら
※参加申込みは第23回「震災対策技術展」横浜のホームページよりお願いします。
なお、参加申込サイトは12月中旬頃に公開予定です。
https://www.shinsaiexpo.com/yokohama/
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[3] 断層トリップ
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日本には2千以上の活断層があると言われています。
断層のずれを観察できたり、ジオパークなどに登録されているスポットが
各地にあります。そんな場所をご紹介いたします。
第17回: 木戸山西方断層
木戸山西方断層は、山口県中南部の大原湖断層系の北部に位置する
活断層です。県道迫田篠目線(310号線)の道路工事の法面掘削の際、
活断層露頭が現れました。この露頭部分は、平成17年(2005)に保存
施設が作られ、幅10cm程度の白色断層ガウジ(細粒な粘土状の破砕
物質)がはっきり確認できます。
住所:山口県山口市阿東篠目
アクセス:JR篠目駅より車で1kmほど、国道9号線「笹目駅入口」
交差点より県道310号線を北上
https://goo.gl/maps/qV2pfAL8Rm32
(Googleマップより)
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[4] 事務局より
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◆ 年末年始休業のお知らせ ◆
休業期間 : 12月29日(土) ~ 1月6日(日)
新年は1月7日(月)より通常業務を開始します。
◆ 編集後記 ◆
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来年も引き続きどうぞよろしくお願いいたします。
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