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Vol.70

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      R E I C マ ガ ジ ン  Vol.70       
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 2017.7.4 ━━━━━
2017年も半分が終わり、後半戦に突入しました。
REICも定時総会を終え、さらに気持ちを引き締めて参りたいと思います。
さて本号では、このREICマガジン創刊から約3年に渡って掲載されていた
“かたやま通信”の復活です!REICの前会長で、現在は顧問でもある
片山恒雄氏による特別寄稿をお届けいたします。

━━━ INDEX ━━━
[1] 特別寄稿
   『安全と管理体制』
REIC顧問   片山 恒雄 氏

[2] REICニュース
  1. 第20回REIC防災セミナー 開催報告

[3] 防災 “あったらうれしい” グッズ(最終回)

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[1] 特別寄稿
   『安全と管理体制』
      REIC顧問   片山 恒雄 氏
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 二つの規模も影響も違う事故が起こった。

 6月6日、日本原子力研究開発機構「大洗研究開発センター」で
作業員5人に放射性物質が付着した。核燃料物質の点検作業中に起こった。
核燃料物質が入ったポリエチレン容器を収めた金属容器のふたを開けた時、
ポリ容器を二重に包んでいたビニールが破裂し、作業員たちが飛散した
粉末状の放射性物質を吸い込んだもので、内部被ばくの疑いが濃厚だった。
 5人は放射線医学総合研究所の医療施設に搬送されたが、搬送時点では
何も症状は出ていなかった。全員が13日、退院した。予定の治療が終わり
体調に変化がないことや、肺からプルトニウムが検出されなかったことか
ら退院可能と判断した。

 原子力規制委員会の田中俊一委員長は、原子力機構について「経営陣は
もっと真剣に考えて、反省すべきだ」と批判した。国内で過去最大級の
内部被ばく事故であり、機構の安全管理体制が今後問われることになる。
(その後、19日に、「5人の作業員の尿からごく微量なプルトニウムが
検出され、全員が医療施設に再入院した」と発表された。同日、原子力
機構は記者会見し、「危険予知に問題があった」と改めて陳謝した。)

 14日未明(現地時間)、ロンドン西部の高層住宅で火災が発生し多数の
死傷者が出た。現時点で、メディア各社は行方不明者が70人以上に上ると
している。
 この27階(24階という記事もある)のビルは昨年大規模な改装工事を
終えたばかりだった。外壁工事にともなって、ビルと外壁材の間に挟んだ
断熱材が燃えやすかったといわれている。住民らは、改装工事の際、火災
安全基準に関する懸念を繰り返し表明したものの、聞き入れられなかった
と主張している。
 出火した高層住宅は1974年に建てられ、スプリンクラーの設置義務の
対象から外れていた。また、火災警報器が機能しないなどの防火設備の
不備が被害の拡大を招いた可能性が指摘されている。住民からは、以前か
ら消火器の期限切れや避難用出口の不足など、防火設備の不備を懸念する
声が上がっていたという。「防火扉があるため火災時は自室で待機するよう
に」との指導を受けていたとされ、これが原因で逃げ遅れた人もいると
みられている。

 日本では厳しい火災対策が義務付けられているから、ロンドンのような
大規模火災が発生する可能性は低いとされるが、万が一の事態が起きない
とは限らない。設備が整っていても、いざと言うときに機能するか。
モノや規則に頼るだけでは不十分なのだ。安全のためには、点検や訓練
などを忘れない「管理体制」が大切である。

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 [2] R E I C ニ ュ ー ス
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1.  第20回 REIC防災セミナーを開催しました。

6月15日(木)15:00~16:45、REIC第15期総会終了後、同会場にて
第20回REIC防災セミナーが開催されました。
当日は、会員・非会員問わず大勢の方にお越しいただきましたこと、
事務局より深く御礼申し上げます。

  講演①「リアルタイム地震被害推定・状況把握システムの
       開発と情報の利活用」
  講師 国立研究開発法人防災科学技術研究所
      レジリエント防災・減災研究推進センター
      センター長   藤原 広行 氏

  講演②「今後の巨大災害対策:貧乏になる中での総力戦を戦うために、
       災害対策のコストからバリュウへの意識改革」
  講師 東京大学生産技術研究所
      都市基盤安全工学国際研究センター
      センター長/教授  目黒 公郎 氏

  開催報告はこちら

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[3] 防災 “あったらうれしい” グッズ
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飲料水・ラジオ・懐中電灯など定番の備蓄品以外で、意外と役立つ
“あったらうれしい”ものをご紹介したコーナー。今回が最終回です!

第10回:手鏡

災害時に身だしなみを気にする余裕なんて無い!と思われますが
頭や顔に怪我をしたり、目に異物が入ることもあります。
避難所等の簡易トイレには鏡が付いていないこともあります。
万一の場合に、鏡に光を反射させて、こちらの場所を伝えることもできます。
小さく、割れにくい(ケースに入ったものなど)鏡を、
一つ用意しておくと便利です。

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発行日:月1回・毎月上旬発行(休刊:GW、年末年始など)
発行開始月:2011年10月
発行元:〒111-0054 東京都台東区鳥越2-7-4 エス・アイビル4F
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TEL:03-5829-6368 FAX:03-3865-1844 HP: http://www.real-time.jp
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